笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

春の林鉄

P5133722-1fc.jpg

丸瀬布いこいの森


雨宮21号としていこいの森を走る元武利森林鉄道の18号形蒸気機関車。
軽便鉄道の車輛はどれも個性的でユーモラスな形が多い。
この雨宮も寸詰まりな身体に小さな3つの動輪を持つかわいらしい機関車だ。
一丁前に

「シポポポ、シポポポ・・・」

と、これまたかわいいドラフトを奏でて煙中毒者の気持ちを和ませてくれる。
それでも時には国鉄型蒸気顔負けの迫力を見せるところは、痩せても枯れても蒸気機関車なのだと思わされる。


駅を中心としてその前後にリバース区間を設け、約2キロほどの線路を走る雨宮。
昨年は台風被害で片側のリバースだけでピストン運行となっていたが、
関係者の必死な努力で今年は全区間運行されるに至った。

当日は曇りで風も強く寒い一日だった。
来園者は疎らであったものの、毎回運行される時間間際になると数人集まり、それは最終運行まで続いた。
お客さんを乗せた雨宮はシポポポ‥シポポポと走る。
林間区間は一番の見せ所。
煙を吐いて往く雨宮は、かつての自身が活躍した森林鉄道を思わせてくれた。

沢に咲くリュウキンカに見送られ、煙を吐いてシポポポ、シポポポ・・・
武利の機関車は本当に愛らしい機関車である。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2017/05/18(木) 14:43:42|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

名残り桜

P5133776-1-10fc.jpg

丸瀬布いこいの森


今年の桜は咲き始めたかなと思ったらパッと満開になって、パッと散ってしまった感がある。
勤務の巡り合わせが悪かったこともあって余計にそう感じたのかもしれないが、結局通勤路と職場以外で桜を見ることはできなかった。

丸瀬布いこいの森。
遠軽から内陸に入った山に囲まれた丸瀬布の町からさらに奥に入る。
ひょっとしたらまだ桜は残っているのではないか…、その期待は見事に外れた。

それでも公園内になんとか花をつけていた木が一本だけあった。
ほぼ終わりかけの散り桜であったものの、桜のいいところはなにも八分咲きや満開だけではない。
エゾヤマザクラはソメイヨシノや垂れ桜のような風流さはないにせよ、それなりの風情があるのはやはり桜ならではのように思う。

山は若葉が芽吹き始めそろそろ新緑も出揃ってくる頃。
春のリレーは着実にバトンを渡されているのだろう。

もう少し咲いていたいな…と花開く姿が健気に思えた。
名残惜しそうに咲く桜を、公園の人気者である雨宮は武利の山に汽笛響かせ、優しくそっと見守っていた。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2017/05/14(日) 12:34:26|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

彩る森の煙

秋本番の北海道。
今年は残暑もなく台風にも見舞われて、はたして紅葉はどれほどのものだろうと心配していたが
10月に入り一気に冷え込んだこともあってか意外といい色付きのようだ。

四方を山に囲まれたいこいの森。
白い綿毛を纏った雪虫が、もう冬はそこまで来ているよと辺りを舞っていた。
台風被害に遭いながらも汽笛を響かせ続けた雨宮は来週末をもって今年の運行を終える。
(12月には特別運行が予定されているとのこと)
様々な想いを込め、彩られた武利の森に煙が漂い笛の音が吸い込まれていく。
僅か一輌の客車には、紅葉を楽しみに来られた人たちの笑顔が溢れていた。

来年は公園内の線路は全線復旧となるのか気掛かりであるが
それでも小さな機関車はたくさんの人を笑顔にしてくれるであろう。
そんな武利の煙見たさに、僕もまたここに来ることを楽しみにいこいの森を後にした。



PA161188-10fc.jpg

丸瀬布いこいの森




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2016/10/17(月) 22:55:45|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

揺らぐ煙に

先日、久しぶりに「男はつらいよ 柴又慕情」を観ていた。
例によって夢から覚めた寅さんがいた所は尾小屋鉄道金平駅。
古びた木造駅舎、短い島式ホームに止まる一輌の気動車、そのデッキには牛乳が積み込まれ
すまねぇすまねぇと急ぎ早に乗り込む寅さん。
ディーゼルの排気を残し、蛙の鳴く寂れた里の風景にタイフォンを残して消えていく列車。
その切ないほどの旅情感は何度見てもなんとも言えない気持ちにさせられる。

あの頃の鉄道風景というのはなぜあれほど美しかったのだろう。
絶景とはいえなくても、単なる田舎の風景に一本の鉄路が存在しているだけで
人々の暮らしやその土地の匂いまで運んでくれ、同時に旅先から故郷を思う気持ちにさせられた。
それは夕べに家族が待つ家路に向かう、あのホッとするような感覚にも似ていたように思う。
軽便鉄道が各地に存在していた現役時代とは、そんな人々の暮らしにもっと密接していたものだったのだろう。
車庫から視線を送るコッペル越しに揺らぐ雨宮の煙に、当時の人々の暮らしぶりが見えてくるようだった。



P9252702-jfc.jpg

丸瀬布いこいの森




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2016/10/05(水) 01:23:40|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

ナローの煙

軽便鉄道という言葉を知ったのは、確か機芸社出版のレイアウトモデリングという雑誌の中にあった祖師谷軽便鉄道の記事だったと思う。
不揃いの枕木や道床と呼ぶにはあまりにも頼りない貧弱な線路、機関区というより車庫といった方がしっくりくるストラクチャー類や油の染みこんだ地面など
そのレベルの高いレイアウトの素晴らしさと共に、そこに資料として掲載されていた沼尻鉄道の写真に見るユニークな車輛たちにあっという間に引き込まれた。

小学校の時分、父親がユネスコ村の西武山口線に運行されていたコッペルを乗せに連れて行ってくれたことがある。
当時はそれがナローと呼ぶものとは知らず、大舞台を脚光を浴びて走る国鉄型蒸気よりもかなり小さな機関車に
何かすぐ手が届きそうなとても身近な存在に感じられ、学校の図工の時間にいつもならD51やC62を描いていた機関車の絵はコッペルになるほど僕の心に深く刻まれた。
沼尻や頸城、尾小屋、木曽森林鉄道のような生活路線とは違えど、今思えばそれが初めて接した軽便鉄道だった。


丸瀬布いこいの森を走る雨宮21号。
キャンプ場や郷土資料館などがある公園内を、駅を中心に前後をリバースした八の字の2キロほどの線路を走る。
公園内ということでJR線などに見る生活感よりも乏しいのは否めないが、それでも紛れもない本物の蒸気機関車だ。
なによりも大切にかわいがられているといった雰囲気がヒシヒシと伝わってくることにとても嬉しさを感じる。
先の台風による被害はこの公園にも及び、現在はキャンプ場内をリバースする区間はまだ不通ではあるものの
関係者の懸命な努力によりもう一方のリバース区間で運転が再開され、
普段は見れない客車一輌を挟んだ雨宮と鶴居村営軌道のDLで編成された小さな列車がゴトゴト走る。
駆ける足回りからは一丁前にカチャコチャとロッドの音を奏で、武利の山々にかつて響いた森林鉄道の笛の音をポーッと木魂させながら
貴重なナローの機関車と車輛たちは今も元気に公園内を走り、訪れた人々を笑顔にしている。



P9252695-2fc.jpg

丸瀬布いこいの森 





テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2016/09/28(水) 00:37:45|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (3)
ご挨拶 (3)
只見線 (7)
石北本線 (50)
山口線 (7)
真岡鐡道 (2)
秩父鉄道 (9)
釧網本線 (17)
大井川鐵道 (3)
廃線・保存機 (5)
宗谷本線 (1)
保存鉄道 (5)
釜石線 (1)
陸羽東線 (1)
山陰本線 (3)
雑記 (1)
非鉄・番外編 (2)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる