FC2ブログ

笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

カマ、燃えたぎる



三笠鉄道村(旧国鉄幌内線)    2018年5月撮影


時計を睨んで出発時刻を確認する係員。
合図を受けたら汽笛一声、発車だ。
今か今かと黒煙を噴き上げ、カマの逸る気を抑えるように機関士は手綱を締める。

公園とはいえ、そこは京浜、阪神に続く北海道初となった栄えある鉄路だ。
実物の蒸気機関車を運転するあたり、ホンモノであるが故の緊張感があった。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2020/05/11(月) 16:45:24|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

日暮れし武利谷

PA145871-10fc.jpg

丸瀬布いこいの森


16時を前にして早々と日が暮れた秋の武利谷に、石北国境の山々を薄ら雪景色に塗り替えた冷気が忍び寄る。
盛りを過ぎつつも、まだ秋色だったと思われた山の景色は川の流れも冷たげに初冬を香るものへとなっていた。

明日は早朝から出かける予定があることと、寒さにも負けて帰り支度を始める。
それでも本日の最終運行を報せる放送が流れると帰れない。


せっかくだから最終便の一本くらい見て行こう。
みすみす帰るなんて勿体ない。

煙を噴き上げ南側のリバース区間をぐるりと回った雨宮は、ここが公園とは思えないほどの力走を見せてくれた。
意外にも鉄橋を渡る寸前で空転したのは、最後まで残っていたお客さんたちへの彼なりの挨拶だったのだろう。


薄らぐ山に汽笛が響く。
笛の周波が蒼き景色と手を結び、ジーンとひとつひとつの細胞に染み渡る。
うん、やっぱり最後まで残っていて良かったなぁ…。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2018/10/24(水) 13:01:48|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

在りし日

PA145847-10(2)-10fc.jpg

丸瀬布いこいの森


「お客さん、乗りますか?出ますよ。」

旅の道中、古びた待合室のベンチから転げ落ち、夢から覚めた寅さんは老車掌から優しく声をかけられる 。
すまねぇすまねぇと飛び乗ったディーゼルカー。
駅の煙突からは紫煙が揺らぎ、蛙がゲコゲコ鳴く風景を列車のホーンが遠ざかる…。

~男はつらいよ 柴又慕情より~


この旅情的なシーンに登場した尾小屋鉄道。
そこに限らず軽便鉄道というと、名の通り簡素な造りで
軌道にはバラストもなく、土にめり込んだヘロヘロなレールが勝手口前や裏庭に伸び、
脱線しても数人でホイっと車輌を持ち上げて線路に乗せられそうな印象を持つ。
実際はそこまでのことはなかったんだろうが、いずれにせよ豊かなローカル色とそのフォルムは個性的だ。

当時TMS誌に発表された作品や、
レイアウトモデリングに掲載されていた沼尻鉄道の写真から軽便鉄道の魅力は存分に感じていた。
かつてコッペルが運行されていた特殊性のあった西武山口線を除けば、
僕は生活の中にあった現役の軽便鉄道というのを知らない。

煙を揺るがせ、ゴトゴトと目の前をいく子供が描いたような列車…。
在りし日の軽便鉄道とはどんなものだったんだろう。
その風景からは一体どんな匂いが漂ってきたんだろう…。

そんな時代を僕も経験してみたかったものだ。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2018/10/23(火) 04:25:51|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:0

秋の日の煙

PA140036-11fc.jpg


本州各地で見られる蒸機運行。
今や冬季に運行される「冬の湿原号」以外に見ることの出来ない北海道においては、いこいの森の煙は貴重な存在だ。
公園内を走ることで一見軽く見られる向きもあるかもしれないが
ロケーションの良さもあって、四季折々を煙棚引かせて走る姿は決して見飽きることはない。
ナローゲージのかわいい車輌たちがシポポポ、ゴトゴト往く姿は何とも癒され持って帰りたくなる。
運行も、時にはいつもと逆回りがあれば編成も変わる。



PA145745-10fc.jpg


この日も午前の編成は、元井笠鉄道の客車を牽引し、
午後は元王滝森林鉄道の客車、元武利意森林鉄道の運材車と緩急車などを連結した混合列車で楽しませてくれた。

機関車の次位にある炭水車のような車輌は炭車で、コールバンカのない雨宮は通常石炭をキャブ内に直接積んでの走行だが
こうして様々なバリエーションで運行してくれる職員の気遣いが何よりも嬉しい。



PA145756-20fc.jpg

丸瀬布いこいの森


中でも木箱のような緩急車が列車の末尾を飾るのは初めてお目にかかったこともあり、感慨も一入だ。

彩りの天窓から射し込む光を一身に受け、水鏡となった池に影を落としてのんびり走る元林鉄の車輌たち。
亡き友が教えてくれた甘い匂いが漂う秋の森に、雨宮の煙がスーっと舞っては消えていく。

ああ、なんて堪らない…。
思わず口を衝いた僕に、武利の汽車はまたひとつ素敵な一日を与えてくれた。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2018/10/19(金) 16:00:54|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:4

憧れの機関士体験・後編

P5125566-1-10fc.jpg

三笠鉄道村(サイドタンクの文字は鉄原コークスとの契約上消せないとのこと)


今回講習を受けたのは僕と合わせて二人。
もう一人は札幌の方で、蒸機マニアでも鉄ちゃんでもなく、本州から3人友人が運転しに来るので
それじゃあ自分も…ということの受講であった。
そのご友人には若桜鉄道で圧縮空気で動かすC12の運転体験をされてる方もいたが
所詮は空気、コンプレッサーの音も煩く、やはり三笠は本物感が違うと何度か来られているようだった。

一緒に講習を受けた方もひどく感動しており、最近の、何でもスイッチポンで動き、人間の補正を機械が制御するものとは違い
デジタルなんかちゃんちゃらおかしい、アナログは偉大だと相当に興奮されていた。

そんな話を聞いていて、ふと思い出したドラえもん。
22世紀に行ったのび太が未来のジャイアンやスネ夫、しずかちゃんの通う学校へ行く。
簡単な計算をコンピューターでしか解けない未来の三人に対して、のび太は紙とペンと指を数えて計算する。
それを見た三人はのび太を天才だと驚く。
近い将来、人は車の運転とて忘れるかもしれない。
無理も融通も利かずプログラム通りに事を進める無機質なものに支配されつつある世の中は、一体どこに向かうのだろう。
蒸気機関車の運転は、それとは全く対照的だった。



P5125641-1fc.jpg


途中営業運転を挟み、僕は都合3回乗車した。
受付で会計した後、本職の機関士さんが運転する機関車は初心者の僕が運転した時の表情とは明らかに違っていた。
ドラフト音は高らかに歯切れよく、スムーズで無駄のない加速と減速、停止。
教えて頂いたN機関士の他に幌内線でキューロクに乗務されてた方もいて、さすがと言わざるを得ない運転だ。

幌内の山間に涙しそうな五色の汽笛が木霊する。
構内運転でありながらも蒸機ならではの後ろ姿の郷愁感…。
全ては人間が操作し、経験と修練によってその日の機関車の状態から適切な措置をとる。
季節、天候、牽引する重量、同じものひとつとない条件に対応できる人もまた偉大だ。

人が手間をかけ、人の血が通う鉄の塊が蒸気機関車であり、そこに様々な感動を呼び郷愁が生まれる…
ホンの少しだけ加減弁ハンドルを握り、直に触れた黒鉄の肌から垣間見えた、僕には貴重な体験運転であった。


尚、前編のキャブ内における運転風景は機関士の方のご厚意により撮影して頂いた。
この場をお借りして、改めて感謝致します。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2018/05/16(水) 08:03:19|
  2. 保存鉄道
  3. | コメント:2
次のページ

プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
当ブログは写真ブログではなく、あくまでも日記の立ち位置のつもりでいます。写真は落書き代わりのいい加減なものですので、予めご了承下さい(´▽`;)ゞ

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

ご挨拶 (8)
宗谷本線 (15)
石北本線 (134)
釧網本線 (51)
根室本線 (3)
釜石線 (1)
陸羽東線 (1)
只見線 (9)
真岡鐡道 (19)
上越線 (1)
秩父鉄道 (24)
高島線 (4)
大井川鐵道 (17)
山陰本線 (3)
山口線 (8)
肥薩線 (1)
保存鉄道 (12)
廃線・保存機 (16)
駅・設備 (15)
雑記 (9)
未分類 (1)
非鉄・番外編 (3)
飯山線 (13)
長野電鉄 (2)
鶴見線 (5)
小海線 (9)
品鶴線 (3)
神奈川臨海鉄道 (1)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる