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笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

通学列車

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石北本線 緋牛内    2018年7月撮影


6時33分、札幌行き特急オホーツク2号通過で始まる緋牛内の一日。
地域の足となる普通列車は、およそ30分後にやって来る。
4時台から運転される山手線と比べると何とものんびりしたものだが、
乗客の主は学生たちで、言ってみれば通学のために運転されるようなものだ。

到着時刻が近付くと、こんな緑に囲まれた駅にも学生たちがポツリと集まる。
都会の常時混雑する駅にはビビって思わず後退りしてしまうほどだが
僅かな人影が見える駅の風情はとてもいい感じだ。

定刻、たった3人であっても律儀に並ぶホームに列車が進入する。
ダイヤ上では上下線同時到着となるが、ひなびたローカル線でもホンの数秒違いで到着する辺りは
日本の鉄道は時間に正確だと言われる所以だろう。

ゆっくりと乗り込んでいく学生たち。
おはよう!
同級生や先輩後輩の顔を見つけては、そんな声が車内で飛び交っているはずの列車を見送る。


みんな、いってらっしゃい…。




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  1. 2019/07/28(日) 00:03:17|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

桜雨

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石北本線 美幌~緋牛内


例年より早く咲いた桜も終わりを迎えた。
そぼ降る雨が惜しむように散り際の桜をしっとりと濡らす。
晴れの日の桜もいいけれど、雨の桜は日本人が好む風情というか儚さというか
そのようなものがあると思う。

薄暗くなった緋牛内の集落にオホーツク4号が進入する。
のんびりと、やっとやって来た春本番…
通過する特急列車の如く、内地の季節に追い付けとばかりに
これから初夏へと向けて一気に加速していく。




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  1. 2019/05/11(土) 14:30:20|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

春うらら

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石北本線 緋牛内    2017年5月撮影


雪の下からフキノトウが出て福寿草が咲き
水仙が咲き、タンポポが咲き
桜より一足早く咲くツツジの赤が目に眩しい。

待ち遠しかった春うらら。
ローカル線の鈍行列車のようにゆっくりと駅に着く。
野辺が華やぐ…
日本のはずれのオホーツクにもそれがようやく届き始めた。




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  1. 2019/05/06(月) 14:56:15|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

鯉のぼり

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石北本線 留辺蘂~相内


甍の波と雲の波
重なる波の中空を
橘かおる朝風に
高く泳ぐや鯉のぼり

「甍の波と雲の波」と詠う詩は、連なった瓦屋根と雲の様子を波に例えた大和言葉である。
柑橘系の一種、橘の花が咲くのは5月であるから、鯉のぼりと聞いてパッと思い浮かぶのは
新緑と花々が咲き誇り、黒々とまたは朱々と輝く瓦屋根と青空に浮かぶ雲の水面を泳ぐ姿だ。

鯉のぼりは緑の季節に泳ぐもの…というのが常であった身からすると
まだ褐色といっていい景色に泳ぐ鯉のぼりは未だに不思議な光景として目に映る。
よく晴れた青空ならまだいいが、4月5月といえど時には吹雪く景色に寒々と泳ぐ姿はもう気の毒でしかない。
反対に北国に生まれ育った人からすれば当たり前のものであろうから、
それを思うと同じ国土でも生まれ育った土地により感じ方は様々というのが面白い。

朝は氷が張っていたはずなのに、日中の気温は夏日目前の24.9℃となった北見地方。
冬と夏が一日にしてやって来る…なんて日が時々起こりうる浅春の大地にも鯉のぼりが泳ぎ始めた。
琥珀色に染まる一日の終わりに明日を祈る。
甍の波や緑はなくとも、せめて春らしい雲の波に泳がせてあげたいものだ。




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  1. 2019/04/22(月) 03:03:05|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

仁頃山を仰ぎ見て

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ルペシュペ、峠の麓町留辺蘂を抜けた平野部を石北名物「タマネギ列車」が風を斬る。
現車11輌、前後にDF200が付く石北本線最長編成となる列車だ。

このくらいの編成は当たり前だった鉄道華やかりし頃。
コンテナ編成などの専用列車だけでなく、二軸貨車やボギー車のバラエティに富んだ編成…
地響き立てて蒸気機関車がガシュガシュと、タン・タン・タタン・タタンタタン・タタン・タン・タン…と後に続くジョイント音。
いーち、にー、さーん…と、別に誰に頼まれたわけでもなく自然と輌数を数えていた。
今は「あ、一輌」「これは二輌ね」と数える間もなく一目で判断できる短編成が寂しい。



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石北本線 留辺蘂~相内


秋が過ぎ、北見で身近な仁頃山が白くなると「そろそろ本格的な雪も近いね」の会話が増えて来る。
雪一面となった冬を越し、畑に少しの緑が芽生えてヒバリが囀り始める春が来る。
秋とは逆に白い線が頂へと上がっていけば、タマネギ列車の一年が終わる頃だと山が言う。

積み荷が待つ北見駅まであと少し。
文字通り、運行も佳境の貨物列車が仁頃山を仰ぎ見てラストスパートに入った。




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  1. 2019/04/16(火) 16:08:39|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0
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