笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

夢叶わずに

小学生の頃の夢、それは蒸気機関車の機関士になることだった。

北長野でD51のキャブ内に入れてもらい、助士席に座らせてもらった。
「そこを踏んでみな」
と指されたペダルを踏んでみる。
焚口戸が両方に割れ、紅々と燃え盛るD51の心臓部を見た。
大きくなったらデゴイチの機関士さんになる!と告げるとにっこり笑って
そうか、待ってるぞと煤で汚れた軍手越しに握手をしてくれた。


会津若松駅に着いた頃、プラットホームは夜汽車の雰囲気が流れ始めていた。
無事に運転を終え、あとは機関区へ還るのみ。
ひとつの仕事をやり遂げた男の顔がそこにあった。

もし、夢が叶っていたら・・・
そこの席に座っていたのは僕だったかもしれない、と
あのとき機関士さんと交わした握手の感触が右手に蘇っていた。




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只見線 会津若松駅    2014年11月8日撮影




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  1. 2016/11/28(月) 00:04:13|
  2. 只見線
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C11と只見線

先日、飯山線でC11が走り沿線は大変な賑わいだったようだ。
飯山線は僕にとっても子供の頃から慣れ親しんだ路線のために愛着もあり、
千曲川や点在する村を見ながらの車窓は素朴で美しく、そこに蒸気機関車が走ってくれたというのはとても嬉しく思う。

しかしC11という機関車、僕には会津のイメージがとても強い。
現役時の写真を見ると標津線や日南線の姿も「らしさ」があってよかったと思うが、只見・会津・日中の会津三線のC11は子供心に強い印象を与えた。

その只見線の魅力といえば大きく分けてふたつ、会津平の田園地帯と奥会津の渓谷美ではないだろうか。
広大な水田は、春は一面の水鏡、夏には青々と涼やかに、秋は黄金の実を垂れて、冬は白い雪に眠る。
奥会津へと足を踏み入れば、只見川を渡り返す第一から第四の他、滝谷、柳津、宮下と支流を渡る橋梁など数多く、その表情はとても豊かだ。
そんな会津の里を往くC11は実に旅愁に溢れ、懐かしい気持ちにさせてくれる。


会津三線の内、日中線は廃止、会津線は会津鉄道とそれそれの運命を辿り
残る只見線は2011年に発生した新潟福島豪雨によって橋脚が流され、現在も会津川口~只見間は不通となっている現実に胸が詰まる。
年々線路は痛み、仮に復旧するにしても年を追うごとに費用はかさむ。
この旅の途中、中川の駅で声を掛けてくれた道路工事をしていた方が地元の悲痛を訴えるように話してくれたことが今でも忘れられない。



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只見線 会津水沼~会津中川   2014年11月9日撮影




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  1. 2016/11/27(日) 13:16:48|
  2. 只見線
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鎮守の横を

早いものであれから2年の歳月が流れた。
試運転最終日、まだ日も明けやらぬ早朝に着いた会津平は深い霧の中だった。
予想以上の寒さに身体は凍え、それとは裏腹に僕の心は熱く高鳴っていた。
2001年、只見線に煙が復活すると聞いた時はいても経ってもいられず北海道から会津を訪れ、
以来やっとの思いでその機会を得ることができた。

「草深いローカル線」という表現が似合う路線は随分と少なくなってしまったが
只見線はその数少なく、且つ最も蒸気機関車の似合う路線のひとつであると思う。
小学生の頃に雑誌等で見てからというもの、その郷愁溢れる風景に魅かれ何度旅に出たことだろう。
そんな只見線に求めていたのは蒸気機関車の迫力ではなく、会津という里を走る日本の汽車の姿だった。


陣取った神社の境内では数名の同業者の方が集まった。
その内の一人が向こうの道路はすごい人だかりだと言う。
人混みを苦手としている自分だが幸いにもそれ以上人数は増えることなく、和やかなムードで汽車が来るのを待つこと数時間。
会津平に響くC11の汽笛、近付くドラフトに全身が震える。

来た・・・!!

ロッドの音も軽やかに、里色に染まった村の鎮守の横を往く。
乾いた旧客のジョイント音、遠ざかる汽車の音、辺りに漂う残り香・・・。


まだ一本目の撮影なのに、
でも、もうそれだけで満足だった。



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只見線 根岸~新鶴   2014年11月6日撮影




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  1. 2016/11/14(月) 22:40:13|
  2. 只見線
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薄暮に向かって

薄暮に向かう僅かな時間。
夕陽に照らされた鮮やかな時間もいいけれど、次第に色彩が失われていく時間もいい。
暖かい缶コーヒーを握りしめながら列車を待つ、そんなことが似合う季節になってきた。

道東の名峰斜里岳の麓を単行のキハが風を切る。
その風は強く冷たく、初冬の寒々とした風景が広がっていた。



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釧網本線 知床斜里~中斜里




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  1. 2016/11/10(木) 07:06:38|
  2. 未分類
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雪景色

既に先月から道北では積雪となっていた北海道。
いよいよオホーツク地方も昨日から積雪となり、辺りは晩秋を通り越していきなり冬景色となった。
落葉松の紅葉が真っ盛りとなる寸前での雪の便りに、もう少し秋を楽しみたかったというのも正直なところ。
とはいえ、美しく雪化粧をした景色を部屋の窓から見ているとやっぱりいいものだと思う。
眠い目をこすりながら嫌いな寒さの中に飛び出してしまうのも、雪の魔力に憑りつかれているからなのかもしれない。



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石北本線 緋牛内~端野


以前バイクで入り込んだ森の中。
今や倒木やら何やらですっかり廃道の装いとなってしまい夏の時期なら絶対に入り込みたくないが
本格的な冬が来る前の僅かな期間だけは気持ちのいい林間コースとなる。
木々に凍りついた雪は枝を立体的に浮だたせ、風に揺れればカラカラときれいな音を奏でる。
清らかな雪の森で列車が来るのを待っている時間は、ただじっとしているだけでも様々な音や匂いがしてきて心地いい。
冬は好きなバイクも乗れず、寒さ嫌いの僕には辛い季節のはずが意外とそうでもないのはそんなシーンに巡り合えるからなんだろう。



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石北本線 緋牛内~美幌


今年も早かった積雪。
昨年は流氷もろくに来ないで冬が終わってしまった。
さて、今年はどんな景色を見せてくれるのか楽しみである。




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  1. 2016/11/04(金) 15:35:54|
  2. 石北本線
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寒い夜

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石北本線 緋牛内駅



網走行最終普通列車。
お客さんが一人降りて来た。
気温2℃の寒い夜。
小さな駅に、こうして利用客の姿を見ると少しホッとする。
今日もお疲れさまでした。





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  1. 2016/11/02(水) 02:53:21|
  2. 石北本線
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プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

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