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笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

移ろい

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真岡鐡道 市塙~笹原田


二荒颪を耐えた土地に、ほころんだ梅の花が春の悦びを伝える。
冬は雪がないとはいえ、険峻な越後山脈を越えて冷された季節風は日光連山を駆け降り
その黒鉄の身体は何度凍えさせられて来ただろう。

この路を走り続けて二十年…
東京でそろそろ桜が開花の頃、春浅い景色をピッチを上げて遠ざかり
様々な想いが棚引く残り香に浮かんでは消えていった。


先頃行われた入札で、彼は東武鉄道に譲渡されると報道された。
同県ながら次は架線下の首をすくめる環境となるのは少し残念だが
今後、再び空の広いのどかな野辺に、彼の煙が揺らぐことを期待したい。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2019/03/27(水) 17:32:15|
  2. 真岡鐡道
  3. | コメント:0

消えた鉄路

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旧国鉄士幌線 タウシュベツ川橋梁


1987年3月に廃止された旧国鉄士幌線。
糠平周辺に点在するコンクリートアーチ橋梁群は北海道遺産に指定され、そのひとつのタウシュベツ川橋梁は
1955年、糠平ダム建設により新線に切り替えられてダム湖に沈んだ旧線跡だという。
雪解けと共に水位は上がり、夏以降は水没することから幻の橋として知られている。
遺産登録後、糠平湖周辺林道は許可を得なければ通行できないが、それ以前好きなように林道をバイクで走り回れていた頃が懐かしい。
そこには橋梁跡のみならず、広大で豊かな森と清らかな水が造り出した、しばらく動きたくなくなるほど圧倒的な自然風景が広がっていた。

橋は年々崩落が進み、美しいアーチもあと数年の内に見納めとなろう。
補修による保存の声もあると聞かれるが、僕はこのまま朽ちていく方がいいと思う。
後世に残す重要さよりも、森に横たわる骨となった鹿や木々の躯などと同じように、ここの掟に沿い静かに消えていく…
ここは人間のエゴなど通じない大自然が主役なのだ。



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旧国鉄士幌線 糠平~幌加


かつて森林業で栄えた終点の十勝三股は最大で1500人ほど人が暮らしていたという。
煙が消えて約3年後、糠平~三股は運行休止となり、列車は走ることなくそのまま廃線を迎えた。
それから三十数年、キューロクが歩んだ路は部分的に手入れもされてるようだがほとんど周囲は森に還っていた。




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旧北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 陸別


北見と池田を結んでいた池北線。
JR化後、第三セクターに転換され2006年4月に廃止となる。
車輛も新型になり、駅舎も改装、蒸機の運行もされ、その力の入れ具合から何とか持ちこたえてくれるかと淡い期待をしたのが甘かった。
最後まで残っていたハエタタキと牧歌的風景の車窓を地元にいながら追いかけなかったことが悔やまれてならない。


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廃線跡を使った体験運転も人気とのことで時々列車の音が響くのだろう。
そんなこともあって駅構内は現役時代の面影が見え隠れする。
まだ雪の残る砂利のホームにいるとヘッドライトを照らした短い列車がやって来るような錯覚を覚えたが
点灯してない信号機に、やはりここも消えてしまった鉄路なのだとまだ春遠い風が隙間風のように胸の奥まで吹き込んだ。




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  1. 2019/03/22(金) 23:21:31|
  2. 廃線・保存機
  3. | コメント:0

いつまでも

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釧網本線 細岡    2016年2月撮影


湿原の駅に日が暮れる。
友と過ごした一日…
いつまでも胸に。




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  1. 2019/03/11(月) 05:34:23|
  2. 釧網本線
  3. | コメント:0

団欒

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大井川鐡道 青部    2018年12月撮影


山深い集落に灯が点る。
夜汽車に揺られていると、こんな所に、あんな所に、と灯りが見える。
そんなシーンを見るにつけ
あの灯りの下ではどんな人が住んでいるんだろう、
暖かい晩飯でも食って、テレビでも見て
普通の人が普通に暮らしているんだろうなと眺めていた…。

なぜか懐かしく、どこか切なく、今も残る家族団欒のひと時。
柱時計がカチカチと、白熱球がユラユラと、
親父のくゆらす煙草の紫煙、夕支度の音、赤々と燃える風呂場の薪…
それらと近い匂いを感じていた。


小さな村の小さな駅に列車が停まる。
人影ポツリ降りたなら、やがて村の暗がりに消えていき
ただいま、おかえり…
その後きっと在り来たりの会話がどこかの家で聞こえて来るのだろう。

静まり返った里に古参電車が夜道を辿る。
響いた轍の音色は昭和の古き良き温もりを運んでいた。




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  1. 2019/03/09(土) 00:55:09|
  2. 大井川鐵道
  3. | コメント:0

燃ゆる馬主来

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根室本線 古瀬~音別


大地を揺らし鼓膜に轟く重低音…
砂浜を叩き付ける波の音は怖いほどだった。
丘の上に立つ身を突き刺し、脳の温度さえ奪う強い風は波飛沫を内陸まで運ぶ。

真っ赤に焼けた海岸線、荒涼たる大地、そこを縫うようにへばり付き走る列車…。
どうだ、すげぇだろ!と言わんばかりの、厳しい北国の自然が見せてくれた絶景。
北海道の鉄路はこんなにも凄い景色の中を走っているんだと思うと、
この地に暮らす一人として何か誇らしい気持ちが込み上げて来た。




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  1. 2019/03/02(土) 01:57:55|
  2. 根室本線
  3. | コメント:2

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当ブログは写真ブログではなく、あくまでも日記の立ち位置のつもりでいます。写真は落書き代わりのいい加減なものですので、予めご了承下さい(´▽`;)ゞ

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