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笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

被災地に祈る

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小海線 太田部~龍岡城


明日はいずこか浮き雲に 煙たなびく浅間山…
五木ひろしが歌う山口洋子作詞の「千曲川」の一節である。

秋の風立つすすきの径よ、
寄せるさざ波 暮れ往く岸に 里の灯ともる信濃の旅よ…

幼い頃に見ていたそのままの光景が唄われ、この曲を聞くたびに胸に込み上げて来るものがある。


浮き雲に頂を隠した浅間山が稲穂揺れる里を見下ろす。
心なしか蝉の声も元気をなくした初秋の景色に、ハイブリッド車輌といわれる列車が気持ち良さげに駆けて来た。

台風15号の影響か、借り入れ前の多くの稲が倒れ、それが冷めやらぬ内に今度は台風19号だ。
上流の佐久穂町の被害状況からして、この地区も相当な被害が出たのではないだろうか。
夏には被害がなかったとはいえ浅間山も噴火し、地元の方々の心労はいかばかりか。

寄せるさざ波、暮れ往く岸…
秋の風立つすすきの径に、平穏な里の灯が一日も早く燈ることを祈りたい。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2019/10/25(金) 21:59:05|
  2. 小海線
  3. | コメント:0

境界線

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小海線 小淵沢~甲斐小泉


前回同じ場所で雲に隠れてしまった南アルプスの甲斐駒ケ岳と鳳凰山。
小海線の代表的風景のひとつが故、どうしてもしっかり見ておきたかった風景だ。
既に多くの好作品が出回っているが、そこは自身の目に焼き付けておきたいと再び小海線を訪れた。

9月半ば、快晴。
稲穂が頭を垂れた金色の野を列車はぐるりと周回しながら高原へと駆け上がる。
背後から流れる八ヶ岳の風が胸に染み入る。

かつて茅野の町から高度を上げ、八ヶ岳の裾野にいた頃の幾度となく嗅いだ山麓の匂い…
感覚としてそれは韮崎を過ぎ、長坂辺りから強くなって来るようだ。
小淵沢では更に強くなり、その頃に感じていた充実した日々と幸福感は懐かしくもあり、切なくもあり。

甲斐から信濃へ、信濃から甲斐へ。
行く楽しみと帰る寂しさ…小海線はその境界線に当たり、
従って帰る時にはなかなか越えることを躊躇わされる路線である。




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  1. 2019/10/16(水) 00:35:15|
  2. 小海線
  3. | コメント:0

もうひとつの古里

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小海線 甲斐小泉~小淵沢


高原列車が八ヶ岳山麓の大築堤を駆け降りる。
爽やかな気候と高く澄んだ空…、ここの景色はとにかく清々しい。


「ちょいとその辺まで行ってくる」
前日にそう伝えて早朝に家を飛び出した。

生まれも育ちも信州の母は教員だった父親の転勤で
戦前から戦時中にかけて諏訪地方の岡谷、茅野に住んでいたという。
特に小学校から高等科にかけての三年間は、16歳で母親を亡くす(享年33歳)までの多感な年頃だったために
思い出は強く、八ヶ岳のある風景には懐かしさが一入募るようだ。

思い出話から
「昔はおやきなんてあんこしかなかったよ。
お袋さんが作ってくれたおやきが懐かしいねぇ。五平餅も久しぶりに食べたいねぇ」
という母…。
僕にとっても家族にとっても諏訪地方は北信地方と並び格別な思いがある土地だ。
鉄道写真なんぞほどほどに、そんなものより大事なことがある。

以前よく行っていた店まで足を伸ばし土産に買っていけば
小倉あんのおやきを頬張る母の目は、遠くなった古里と
母親と過ごしていた幸せの時間が甦っているようだった。
八ヶ岳のある風景は、母にとってもうひとつの古里の風景なのである。




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  1. 2019/10/03(木) 10:40:02|
  2. 小海線
  3. | コメント:0

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Author:u403tsugaru
当ブログは写真ブログではなく、あくまでも日記の立ち位置のつもりでいます。写真は落書き代わりのいい加減なものですので、予めご了承下さい(´▽`;)ゞ

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