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笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

本領発揮



釧網本線 細岡~釧路湿原


世の中、蒸気機関車のバック運転がお嫌いな方がいらっしゃる。
人それぞれ好みがあるから致し方ないのだが、僕は好きである。
ごく浅くしか知らない僕のような現役蒸機世代であっても少なからずバック運転はお目にかかったし
古い映像を観ても意外と見ることが出来てなかなか楽しいものだ。
支線区で働くキューロクやハチロクといったテンダー機関車がバック運転で列車を引く光景は味があり
ぜひこの目で見たかったシーンのひとつでもある。

ともあれ、各地で定期的に運行されている復活蒸機走行線区のほとんどは転車台が整備された正向運転であり
今やバック運転が見られるのは稀となって、確実に見られるのはこの「冬の湿原号」として走る釧網本線のみ…
となってしまったのは些か寂しい。
確かに蒸気機関車の背中を正面がちに見れば単なる黒い鉄の箱でつまらないものかもしれないが
特にバック運転が得意とされるC11やC12のようなタンク機関車は、速度制限がされるテンダー式とは違い
滑るように快走する姿はこれぞ本領発揮と思うのだが。
叶わぬ夢として、C11がバック運転でぶっ飛ばす特急さくらも見たかったものである。

往路の青空と打って変わって冬空となった復路。
チラつく小雪を突きながら、端正な横顔を見せて駆けて往くC11は本当に惚れ惚れするほどカッコいい。
雲の切れ目から僅かに零れた西日がバンクをしていく彼を照らし、ナンバープレートが鈍く輝いた。




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  1. 2020/02/28(金) 02:36:33|
  2. 釧網本線
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青空の下



釧網本線 遠矢~釧路湿原


2月半ばを過ぎると寒さは緩み、寒暖を繰り返して冬は終わりに向かう。
春のような陽気となった湿原。
-5℃くらいでも「あったかい」となる感覚の道民にとって、プラスとなった気温は
それが一桁であっても防寒着を脱がすには十分だ。

静けさの中でじっとしていると聞こえる湿原の声。
枝を飛び交う鳥の囀り、エゾシカの鳴き声、葦を揺らす風…
雪の結晶が解け、雫となったささやかな音でさえ聞こえて来るようだ。
熊笹の上に腰を下ろし、暖かな陽射しを受け、ウトウトととする時間は心地よく、なぜか豊かな気持ちにさせられる。

遠く汽車の汽笛が聞こえて思わず条件反射的にシャッターを切った。
が、それは東釧路を出た辺りの汽笛が風に乗って来たものと時計を見て知った。
そういえば少し風が出てきたようだ。
陽射しは風という遮蔽物に遮られ、さっきのような暖かさが伝わらず防寒着を羽織る。

C11の息吹きは聞こえて来ないが、後に続く客車の発電機の音が近付いている。
そろそろかな、なんて身構えていると突然姿を見せた湿原の汽車。
小気味よいドラフトを奏で、風に白煙をなびかせながら彼らしい足取りで青空の下を抜けて行く…
そんな汽車を見送ると一杯の幸福感が込み上げた。





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  1. 2020/02/27(木) 17:55:29|
  2. 釧網本線
  3. | コメント:0

なぞかけ



釧網本線 細岡~釧路湿原


雪雲が湿原の向こうからやって来て
一時吹雪いたかと思えば青空が出て
強い風が吹いていたかと思えば弱まって
目まぐるしく変わる天気が空というキャンバスに描かれる。まさに空模様…

その風に汽車の煙が渦を巻く。
彼のシルエットはキャブとサイドタンクが辛うじて見えるだけ。
これを失敗とするか良しとするかは判断の分かれるところだろう。

葦の原を覆うように流れて来た大量の煙に飲み込まれ、石炭の匂いが鼻を突く。
白い粉を吸うのが薬人ならば、石炭を焼いた(燃やした)黒い煙を吸って喜ぶ蒸気機関車好きたちは焼人であろう。
その心はどちらも吸えばラリる点である。




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  1. 2020/02/21(金) 00:12:10|
  2. 釧網本線
  3. | コメント:0

定番

P2040284-10fc.jpg

釧網本線 細岡~塘路


有名撮影地での撮影は誰でも同じような画となって食傷気味になってしまうものの
雄大な冬の湿原を背景に走る蒸気機関車を見るにつけ、新夢ケ丘はバランスのいい場所のひとつだなぁと思う。
遥か向こうまで広がる湿原と蛇行する釧路川…
白い景色に黒い汽車が走る。
なんてワクワクすることか。

この日、朝まで降っていた雪は曇り空となった木々に残り、より寒々しく白く美しい景色となった。
カーブを切って汽車が現れる。
グレーの煙は横切る時には白煙になって棚引いた。
走って来た道程を残り香となって舞う汽車の足跡。
雪の中を延々歩いて山を登り、汗だくになって途端に身体が冷えて、凍えながら二時間待った苦労が報われた瞬間。
何度来てもいいなぁとつくづく思わされた。

ただ、年々伸びる木の枝に足場が狭められる。
ここも見納めになるのもあと僅かだろう。




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  1. 2020/02/17(月) 19:32:48|
  2. 釧網本線
  3. | コメント:2

白紀行



石北本線 端野~緋牛内


天を覆った雲が切れ出して、淡い青空が顔を出す。
厳冬期の北海道…
白い大地を、白い列車が走り往く。
冬の、いつもの風景…。




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  1. 2020/02/13(木) 22:10:41|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

極寒の朝

2月に入り、それまでの暖冬がウソのように厳しい寒さが続いている。
北見地方は2日を皮切りに-20℃を境にして、特にここ最近は5日連続20℃越えだ。
早ければ12月、通年だと1月にはこの気温に達するが、いいとこ続いて2~3日、ここまで続くのは珍しいのではないかと思う。
しかも今朝は大台の-30℃。これまでの帳尻が合うどころか、それを越す勢いだ。


P2090362-1fc.jpg


あんまりにも寒いので車の中からズボラ撮り、まぁ数字が分かればいいくらいの調子で撮っておいた。
暖冬はどこへ行った?温暖化じゃなかったのか?
この日、旭川地方の江丹別では-36℃だったというが、場所によってはもっと寒かったと思われる。
因みに国内最低気温は幌加内町母子里の-41.2℃。
-40℃の世界って一体…???



P2090318-2-10fc.jpg

石北本線 緋牛内


ダイヤモンドダストが舞う緋牛内。
ピリピリとした痛さを通り越して手足の指先の感覚が無くなり、感覚が無くなったはずの指の芯がジンジン痛む。
防寒着でぶん膨れてもその様だ。
マスクの隙間から出た息がまつ毛を凍らせ、瞬きするたびに引っ掛かる。
マスクを外せば鼻がもげそうなほど冷えて鼻毛が凍る。
カメラなんて冷た過ぎて手持ちでなど持ってられない、持ちたくもない。
持てたとしても震えてしまってアングルを固定できない。
僕は寒さが嫌いなのだ。

それでも不思議なもので列車が来ていざとなった時、指先の痛みは忘れているのだから気の持ち方ひとつなのだろう。
始発列車同士の交換劇。
それはまるで蒸気機関車のような大爆煙で逆光の朝日の中を発車した。
寒さは嫌いだけれども、寒さが見せる景色は大好きなのである。




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  1. 2020/02/09(日) 23:45:03|
  2. 石北本線
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雪のある景色



石北本線 緋牛内


数日前までむき出しだった線路のバラストもようやく隠れ、夕暮れ間近の日差しが白を染める。
これなんだよね。まだまだいつもより雪は少ないけど期待していよう…。

全国的に雪がないと言われるこの冬。
オホーツク地方も例外なく過ごしやすい冬である。
積雪量は決して多い地方ではないが、それでも雪掻きは重労働。
それが解放されただけでどれほど楽だと思えるか、雪国暮らしを経験した方ならお分かり頂けるだろう。
気温も昨年の大晦日には雨が降るという珍事が起き、寒くて-15℃ほどが関の山。
いつもの厳冬期なら-20℃以下となる日も数日あるはすが1月半ば頃まで一日もなく、後半になってやっと-20℃辺りまで冷え込んだ。
(因みに一昨年の我が家では-28℃が2回、-30℃を1回記録した)

暑さと共に寒さも大の苦手、ありがたいはずなのに物足りない。
雪の白さと凍り付いた景色に空の蒼さの美しさは格別で、バイク乗りがバイクに乗れない季節に惚れた雪景色が見れないのはつまらないの一言だ。

1月後半、太平洋側に通った低気圧により春に降る内地のような湿った大雪が降った。
22時半頃、一台の車も通った跡がない雪道をやっとの思いで仕事から帰り、道路から玄関までの20mといったところで車がハマった。
ガックリしたが、きっとデゴイチの連続25‰勾配の罐焚きの方が辛いはずと思えば少し気が楽になる。
スコップを反し手前左右、次は奥へ飛ばせと白い石炭を闇という罐に投げ入れる。

やっとのことで車を掻き出し倉庫に入れ、玄関まで除雪して家に入れたのは午前1時。
除雪は疲れるが、その代わり玄関の扉を開けただけで格別な雪景色がこれで見れるというものだ。




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  1. 2020/02/03(月) 21:23:59|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

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当ブログは写真ブログではなく、あくまでも日記の立ち位置のつもりでいます。写真は落書き代わりのいい加減なものですので、予めご了承下さい(´▽`;)ゞ

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