笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

足音と共に

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釧網本線 塘路~茅沼


湿原の煙が思わぬ形で終わってしまった今シーズン。
その一年を心待ちにしていた僕は余りのショックでモチベーションが下がり、あろうことか二日ほど熱が出てしまった。
しかし前以て航空券や宿を予約し、道外から訪れた方や予定されていた方々のことを思えば僕の落胆ぶりなど比ではないだろう。

煙の代わりにバトンを受けたディーゼル機関車DE10。
ピンチヒッターとはいえ、ディーゼル機関車が客車を牽くというのは北斗星やはまなす無きあとは貴重だと思うし、
ましてや国鉄色のDE10が牽引機とあらば今や真岡鐵道くらいしかないことから、ここはひとつ気を取り直して釧路に向かうことにした。

訪れてみると主だった撮影地は予想通り人は少なく、蒸気機関車との人気ぶりはこうも違うものかと改めて感じたが
駅を発車し目の前を馴染みある独特のジョイント音を奏で通過していく姿はやはりいいものだ。

「ダダン、ダダダン・・・」

操車場で、貨物線で、ローカル線で…
全国広く活躍した彼の足音は僕の青春時代と共にある。

後に続く客車の中は満員だ。
美しい車窓を背景に笑顔で手を振る子供たち。
蒸気機関車でなくても小さな胸には楽しい思い出がたくさん刻まれていくのだろう。
先頭で風切るDE10はそんな人々の牽引車でもあった。
彼は少しばかり誇らしげな顔をして、白樺並木を横目に駆けていく。
あの足音を奏でながら…。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2017/02/23(木) 10:13:34|
  2. 釧網本線
  3. | コメント:2
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DE101690

こいつに初めて会ったのは昭和50年の3月

ピカピカに光輝く朱赤の内燃機関車は黒く煤け錆さえも風格と化した大正生まれの老兵たちを
駆逐するために帯広の地にやって来た。
当時、国鉄の無煙化は既定路線とは言えど、こんな僻地までその波が訪れるはずは無いなんて
思いこんでいたのだがそんな浅はかな思いを簡単に打ち砕くように彼等は現れふるさとの汽車を
思い出の彼方へと葬り去った。

言わば、憎っき敵であった。

それから時が流れ鐡道趣味から遠のき、すっかりその敵のことも忘れた後年、
我が妻の実家に帰省するとSL函館大沼号なる列車が走っていた。
いい機会だから息子と一緒に乗車してみようと駅に向かうと、黒く輝くC11171と
敵であったDE101690が青黒く塗装変更した姿で迎えてくれた。

あの当時、帯広に配置されたDE10たちは貨物廃止や故郷の轍さえも消え働く場を失い
廃車になるものや広域移動で遠く新天地に向かったものなどと明暗を分けたと聞く
そんな中で、こいつはSLの味方として函館の地で活躍していたことに驚き
かつての敵などと言う気持ちは消え、再会にそして今なお活躍する姿に喜びを感じたものでした。

そして昨年、SL函館大沼号の廃止、北海道新幹線開業に伴い青函トンネルの救援の任も無くなり
その動向が気になっていたら、なんとオリジナルの姿に戻って釧路に戻って活躍の場を得たとの話。

こうして貴殿の記事を拝読し、SL湿原号のピンチヒッターとして客車を牽引する姿を見ると、
心から「がんばれ!」と声援を送ってしまいます。そして貴殿には素敵な記事の掲載に感謝の念でいっぱいです。
ありがとうございました。(長々と記載してしまい申し訳ございません)
  1. 2017/02/23(木) 18:11:06 |
  2. URL |
  3. ひぐま3号 #X.Av9vec
  4. [ 編集 ]

ひぐま3号さん。
私は現役蒸気最末期の姿しか知りません。
従ってホンの数形式と触れあうことしか出来ませんでしたが、それでもどうにか間に合う幸運に恵まれました。
それでも、各路線で最後の活躍をする蒸気機関車を追われたひぐま3号さんからのお話は大変興味深く拝読しました。

私か幼少の頃、実家近くには新鶴見操車場がありD51がゴロゴロいました。
記憶は定かでありませんが、キューロクやC50もいたと思います。
そんな彼らがいつの日かを境にパタリと姿を見なくなり、赤いディーゼル機関車が走るようになりました。
国鉄から蒸気機関車が無くなるとは聞いていましたが、これがそのことかと幼き私が初めて実感した体験でした。
母方の故郷、信州は北信地方の飯山線でもいつしかC56はDD16に代わり、長野工場の片隅には廃車になった赤錆た蒸気機関車たちが解体を待っていました。

後年、雑誌等で赤鬼とか憎き敵とされていたことは存じております。
その時の私は敵という憎しみより、蒸気機関車がいなくなってしまった悲しみの方が大きかったように思います。

ですが、第一線で活躍し大地に咆哮を上げていた現役蒸気を目の当たりにしてきた諸先輩方からすれは、それはさぞ憎っくき敵であったことだろうと今更ながら感じており、お話を伺えたことは大変ありがたく思います。

さて、その憎きDLたちですが(笑)、黙々と旅客・貨物や入れ替えに働く姿に蒸気機関車を思う傍ら、次第に馴染み受け入れられていったように思います。
そのDLたちも牽く列車の相次ぐ廃止に伴い、今や細々と活躍するのみとなってしまいました。
はたして蒸気を追いやった彼らはいつまでその勇姿を見ることが出来るか分かりませんが、最後の日を迎えるまで(来て欲しくありませんが)心から応援し、見守っていきたいと思っています。

こちらこそ長くなり、大変失礼致しました。
  1. 2017/02/24(金) 00:59:29 |
  2. URL |
  3. u403tsugaru #-
  4. [ 編集 ]

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