笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

恐怖との闘い

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石北本線 美幌~緋牛内


前回の更新から二週間、あれから随分と緑が増えた。
街はツツジや芝桜が咲き、いよいよ桜も開花となった。
我が家の方は街より気温も低く、街ほどではないにしろ大分花たちが蕾を開いてきた。

ゴールデンウィークの後半、我が家付近は桜もまだまだなのにいきなり夏日となった。
桜の前に30℃なんてことはたまにあり、春という季節感が関東出身者の僕には感じられない。
それでもこう暑いほどだとバイクに乗るには都合よく、車だったらまず行けない山の奥へと機材を背負って近場の林道に向かった。

軽い機材というのは負担も少なくありがたい。おかげで軽快に林道を突っ走る。
雪解け水で深く抉られた路面。
手前の少しコブになっているところをめがけてアクセルを開ける。と同時にステップを前に蹴り腰を引く。
フワッと両輪が路面から離れ溝を飛び越す…。
オフロードバイクの機動性、爽快感、ああやっぱり気持ちいい。そして面白い。

木々の成長に線路は見えず…と一瞬視界が開けた箇所を見つけた。
バイクを置いて少しだけ伐採された足場の悪い斜面をよじ登る。
列車が来るまでの約30分という時間は少し不安になってくる。
願わくば今時期のヒグマの遭遇はぜひとも避けたい。
過去二度ほどバイクでヒグマに遭遇し、一度はお互いに驚いて逃げる方向が同じで並走…なんてこともあったが、
あんな巨大なものに出くわしたら勝てるわけがない。
こんな足場の悪い所ではいい標的であり、時折背後でパキッと鳴る音に怯えながらの待ち時間はとても長く感じられた。

日没数分前とはいえ谷間は既に陰り、辺りは一層静寂感が増す。
芽吹き始めた緑と白樺の幹の色が薄暗くなり始めた景色に浮かび上がり、いかにも北海道の山間といった風景が恐怖心を多少なりとも和らげてくれた。

列車の唸るエンジン音が過ぎ去れば再び山の中は静まり返る。
そして山の日暮れは早い。
さぁ、ここからが時間との勝負。
急いで山から抜け出そう。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2017/05/07(日) 02:01:55|
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