笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

雪の匂い 冬の音

今年は全国的に暖冬だという。
元々雪の多い地方ではないオホーツク地方も例年と比べて雪が少なく、時々冷え込む程度で年が明けてしまった。
あまり雪が多いのも困りものだが、少な過ぎるのも困ったものだ。
やっぱりその土地土地で、そこに合った季節の景観が一番だと思う。
寒さが嫌いな僕でも北海道で一番きれいだなぁ・・と思うのはやっぱり冬である。
バイクが好きで砂利道が好きで、林道を走り旅をするのが楽しくて仕方ないのにバイクの乗れない冬が皮肉にも一番きれいだ。

季節にはそれぞれ匂いがある。
春には春の、夏には夏の匂いがあり音がある。
雪国の冬は蒼味がかった世界と雪の匂いがする。
そして耳の奥でキーンと冷たい金属音のような、どこまでも澄んだ音が聞こえて来る。
その音がこの冬はずっと聞こえないでいた。そして雪の匂いも感じないでいた。
不思議なもので東京でたまに降る雪には、それがたとえ薄っすらと積もっただけでも雪の匂いは感じるのに、例年より少ないとはいえ一面銀世界には変わりない風景に匂いも音も感じることはなかった。
やはり、そこの土地に見合った・・・というものが必要なんだろう。

昨夜未明から降り出した雪。
年末年始から続いていた忙しさからやっと一段落し、久々にカメラ片手に家の近所をウロついた。
雪印乳業のマークそのままの結晶がふんわり降り積もり、轍ひとつない真っ新な道を走れば砂埃のようにもうもうと雪煙を巻き上げ気持ちいいったらありゃしない。
だけどこれはちと降り過ぎじゃないか?と思ったのは、最初に訪れた地点だった。
雪印の結晶はあれよあれよと大きな綿になり視界が利かなくなって来た。
こりゃ接近戦じゃないとダメかもと場所を変え上り始発列車を狙う。
まるでカメラメーカーが謳う耐久性を実証するかのように、氷点下11℃、雪がもっさり積もったカメラを構えるドカ雪の中を通学生を大勢乗せているであろう大事な足が音もなく駆け抜けた。

ふと車を見ると、ものの15分くらいですっかりバンパーまで埋まってしまっていた。
腹を擦りながら危うく帰れなくなる寸前の雪道をヨロヨロしながらやっとの思いで家に辿り着いた。
前日とは全く違った光景。
でも雪の匂いと耳の奥で音がした。
列車を撮りに行けたことよりも、今日の僕はこの冬やっと聞こえた冬の音と雪の匂いを感じられたことの方が嬉しかった。



P1141750-1fc.jpg

石北本線 緋牛内~端野




  1. 2016/01/15(金) 00:55:16|
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