笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

お見送り

P8212548-1-11fc.jpg

石北本線 端野~緋牛内


色付き出した田んぼの横を通ると畔にかわいらしい頭が見えた。
?と見ればカルガモで、こんな所でカルガモ農法をやってたのかと近づくとすぐに田んぼの中に逃げてしまった。
ちょうど隣の玉ねぎ畑の脇に組み立て前のコンテナが積まれており、
そこにしばらく身を隠しそっと覗くと農道の草むらに一家が続々と出てきた。
ピヨピヨと小さな声が微かに聞こえ、親鳥と思しき一羽が雛たちの近くで見張っている。
雛を見ようと覗く僕の姿は完全に不審者だが、以前の苦い記憶からあまり無理なことは出来なかった。



P8212586-2fc.jpg

端野町端野

 
信州は中信、茅野市の外れ、八ヶ岳が目前にそびえる棚田の間を通る農道をバイクで走っていたところ、カルガモ親子が急ぎ足で道を横断していた。
あっと思って止まったのはいいのだが、一番後ろの雛がビックリして反転、親子と離れ離れになってしまった。
雛一羽がヨチヨチと懸命に逃げ、すると流れの急な農道脇の用水路に落ちてしまった。
あーっ!と慌ててバイクを降り用水路に駆け寄ると雛がすごい勢いで下流に流れていく。
なんとかしなきゃと走って追いかけ、しばらくすると草やごみを止める目的だろうか金格子に引っ掛かった。
手を伸ばしても届きそうになく、仕方なく用水路に入り半身ズブ濡れになって雛を手に包み込むようにして救った。
その雛を離れ離れになった場所に連れてくと我が子を呼ぶ親鳥の声だろうか姿は見えぬが鳴いていて、ちゃんと親元に帰れることを祈って田んぼに放した。
上空にはカラスやトンビが旋回し、親から離れた雛がはたして無事に巡り会うことが出来たのだろうか…
と、なんだか申し訳ないことをしたような気分になった。

そのことが脳裏に浮かび大っぴらな行動は出来ずに辛抱強く粘っていると、一度だけ何とか近くまで親子が来てくれた。
といっても雛は草むらに隠れてしまっていたが、愛くるしい眼を拝むことは出来た。

列車がそんな田んぼの横を眺めながら通り過ぎて往く。
列車を目で追う者、全く無視する者、首を伸ばして不思議そうに見つめる者…。
カルガモの世界にもそれぞれの表情があるものだとほのぼのした気持ちにさせられた。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2017/08/25(金) 23:06:40|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0
<<晩夏の芳賀路に | ホーム | キハ54>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (3)
ご挨拶 (3)
只見線 (8)
石北本線 (65)
山口線 (7)
真岡鐡道 (5)
秩父鉄道 (9)
釧網本線 (17)
大井川鐵道 (3)
廃線・保存機 (5)
宗谷本線 (7)
保存鉄道 (6)
釜石線 (1)
陸羽東線 (1)
山陰本線 (3)
雑記 (1)
非鉄・番外編 (2)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる