FC2ブログ

笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

故郷(ふるさと)の桜

P3245454-10fc.jpg


東京で桜が開花した。
寒かった今年の冬、桜も遅れるだろうと予想していたが、結果的に平年より4日早い開花という。
羽田から実家へと京急、南武線と乗り継ぐ車窓に見えた桜はまだ6~7分咲きでも
久しぶりに見る染井吉野は美しく可憐だった。
歳を重ねる毎に故郷の桜が恋しくなるのはなぜだろう…。

17時になると防災無線から鐘のチャイムが鳴る。
1月から4月までは「浜千鳥」、5月から9月は「椰子の実」、10月から12月までは「この道」と夕まぐれの空に響く故郷の音色だ。
鐘が流れる景色を見ながら家に着き、近くの公園に行けばここにも桜が咲いていた。


P3245468-2fc.jpg


小学校低学年の頃、ここは米軍基地だった。
詳しくは知らないが航空機などが離発着するような大規模なものではなく、なにか別の用途があったのだろう。
高学年の頃には基地はなくなりしばらくは更地だった。
基地の縁に沿うように流れていた二ヵ領用水も当時はドブ川で、町工場から流れる黄色や紫の毒々しい排水が垂れ流しだった。
そんな所でも竹やぶがあり、誰が作ったか立派な秘密基地もあった。
青大将や縞蛇などもいて、実家の庭や玄関にも入ってきたことがある。
都会の中でも米軍基地によって僅かながら生きてこられる環境があったのだろう。
ある日、用水の淵で大きな蛙を飲み込んだと思しき青大将が動けずにいたところ、近所の悪ガキどもと一緒になって
寄って集って石を投げ、棒で叩いて虐めぬいたことがある。
今思えば残酷極まりない話だが、子供なんてそんなものでそうして命の尊さを学んでいく。
それは人から教えられるものじゃなく、体験から学んでいくものだ。


P3245480-1fc.jpg


思い出がたくさん残る基地跡は、今では高校が建ち、桜並木やオブジェが置かれて市民の憩いの場となっている。
周りは工場跡に高層マンションが建ち並び、再開発によって町の風景はすっかり変わってしまった。
されどここはいつまでも我が故郷に変わりない。


P3245485-1fc.jpg

川崎市 中原平和公園


「さくら」の語源は「咲く」と「ら(もの)」の掛け合わせという。
美しく「咲くもの」の象徴が桜なのだと。
そして「故郷」は漢語でこきょう、大和言葉でふるさとと読む。
美しい風土の日本で、祖先の豊かな感性が詠まれたふたつの言葉「さくら」と「ふるさと」。
他のどんな土地の桜より、やはり故郷の桜が一番だと思うのは道理なのである。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2018/03/29(木) 16:47:53|
  2. 非鉄・番外編
  3. | コメント:0
<<風は南から  | ホーム | 空に誘われて>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

ご挨拶 (5)
宗谷本線 (7)
石北本線 (100)
釧網本線 (36)
根室本線 (1)
釜石線 (1)
陸羽東線 (1)
只見線 (8)
真岡鐡道 (15)
上越線 (1)
秩父鉄道 (10)
高島線 (1)
大井川鐵道 (3)
山陰本線 (3)
山口線 (7)
肥薩線 (1)
保存鉄道 (9)
廃線・保存機 (7)
駅・設備 (4)
雑記 (2)
未分類 (1)
非鉄・番外編 (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる