笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

田んぼの風情

田んぼの風情というのは何ていいものだろう。
水を張られ一面水鏡となり、頭を垂れて黄金に染まった姿に至るまでだけでなく、刈り取られた寂しげな姿までもその表情たるは実に豊かで日本の風土に合った風景を見せてくれる。
特に棚田の美しさは維持する側とは裏腹に誰もが魅かれる風景ではないだろうか。

水辺を覗けばオタマジャクシ、アメンボ、ヤゴ、ゲンゴロウ、畔の主はうるさいまでの大合唱…
ふるさとの風景を思い出させてくれるのは、田んぼに集う様々な生き物たちの姿や鳴き声も重要な役割を担っているように思う。

米どころといえば新潟は越後・蒲原平野や富山は散居村で知られる砺波平野、山形の庄内地方など各地に広がっているが、
減反や後継者不足など様々な要因でその姿も減り、とりわけ限界集落と呼ばれる地域の小さな田んぼは荒れ地も目立ち痛々しい。
北海道にも滝川地方や名寄地方など米どころはあっても、ことオホーツク圏となると極端に少なくなる。
北見・端野地方も随分と減り、我が家前もかなり前に畑に変わってしまった。
北海道の広大な土地に広がる畑や牧草地など内地では絶対に味わえない素晴らしい風景もあるが、田んぼの風情というものにおいては内地に一歩譲ると思う。
それでも畔に立てば幼き日々を過ごした懐かしき匂いが運ばれてくる。

旅の途中に立ち寄った小さな里。
さわさわとそよぐ風に暑さを忘れ、畔を歩いたあの頃。
水面に茜が映ればどこからともなく流れくる夕飯の匂いに、「ご飯だよー」と我が子を呼ぶ母の声。
どこか切なく居たたまれぬ想いが押し寄せた。
そんな光景を思い出し、家路に向かえば黄昏時の車窓に故郷を浮かべて汽車が往く。
いつまでもいつまでも鉄の轍を響かせて…。



P6062244-11fc.jpg

石北本線 端野~緋牛内

OLYMPUS OM-D E-M1
ZUIKO DIGITAL ED50-200mm F2.8-3.5 SWD




  1. 2016/06/09(木) 01:40:02|
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下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

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