FC2ブログ

笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

秋の宗谷本線 

PA215991-10fc.jpg

宗谷本線 北星~日進


秋になると一度は道北に行きたい…そう思うようになってから随分と経つ。
標高の低いなだらかな山が続き、内地のような競り上がった山に圧迫される感じもなく
かといって、ひたすら平原が広がるわけでもない。
適度な開放感と天塩川をはじめとしたゆるりと流れる河川が最北のイメージを盛り立てる。
名寄以北となると人の気配も薄くなり、それでいてどうしようもない孤独感を覚えることもないのは
そんな地形から思うのだろう。
美深以南は盛んに稲作が行われ、見慣れた道東とはまた違った趣きの風景に惹き付けられ
秋の道北行きは恒例化している。

また、その宗谷本線は稚内が終点である。そこから先に線路がない。
最北、最果て、そんな旅情感があるのも魅かれる要因となっている。
同じ終点でも、途中から約180度向きを変え内陸に向かって線路が終わっている根室駅とでは
「果て」であっても何となく違和感があり、そこには「北」と「東」の言葉の響きも影響しているのだろう。

詩情溢れる宗谷本線は寂しい風景も良く似合う。
さっきまで朝の日差しが紅葉を浮き出たせ、鮮やかだった山の景色は雲によってお誂え向きの色になった。

カタン…カタン…

たったそれだけの音が聞こえて
たった一輌のキハが人家の見えない景色を走り去る。

朝っぱらからいきなりクライマックスを迎えたような、
ジーンを胸に込み上げて来るものを抑え切ることが出来ないでいた。





PA150090-1fc.jpg

旧名寄本線 一ノ橋~上興部


いつも通るたび気になっていた。
国道に並走しながら見える築堤は旧名寄本線の廃線跡だ。
ここを訪れた先輩諸氏も多かろう。

どこかに残影はないか…
林道入口の跨線橋から下を覗いても草木に覆われ、言われなければ線路跡と分からないほどだった。

ふと足元を見ると、なんと名板が残っていた。
まだ路線が存続しているかのように堂々と。
廃止から時既に約30年、かつてここに鉄道があったことすら知らない世代も増えて来ただろう。
これまで生き証人として人知れず伝えて来たというのだろうか。

名板に手を触れ瞼を閉じれば、幾度となく見てきた写真のキューロクがモノクロームの世界に蘇っていた。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2018/10/27(土) 04:04:06|
  2. 宗谷本線
  3. | コメント:0
<<秋の宗谷本線 鉄道車輌の条件 | ホーム | 日暮れし武利谷>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

ご挨拶 (5)
宗谷本線 (15)
石北本線 (105)
釧網本線 (37)
根室本線 (1)
釜石線 (1)
陸羽東線 (1)
只見線 (8)
真岡鐡道 (15)
上越線 (1)
秩父鉄道 (11)
高島線 (1)
大井川鐵道 (3)
山陰本線 (3)
山口線 (7)
肥薩線 (1)
保存鉄道 (11)
廃線・保存機 (9)
駅・設備 (6)
雑記 (2)
未分類 (1)
非鉄・番外編 (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる