笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

昭和への回帰

C58という形式の蒸気機関車がある。
僕はこの機関車が大好きである。
現役時代は地味で特徴のないカマとして人気はあまりなかったようだが、なぜか昔からとても好きな機関車だった。

かつて、実家のほど近くにあった操車場にはD51がたくさんいて、最後に乗車した蒸気牽引列車もD51の牽く旅客列車だった。
D51には特に慣れ親しみ、今でも彼らの見せてくれた躍動は忘れることは出来ない。
C58はそのD51を一回り小型にしたようなありふれた形と、さらに田舎を走るローカル線に似つかわしい姿にどこか心惹かれたのかもしれない。
C62やC57のような迫力や気品があり常に注目されていた花形機関車よりも、人気のない機関車だからこそ見せてくれる素朴さが鉄道蒸気少年の胸を震わせてくれた。

秩父鉄道を走る電車は元東急のステンレス車輛が多くなったが、今でも多くの貨物列車が走り、駅構内の有効長の長さと数多く残る木造駅舎に昭和の鉄道風景を見ることが出来る。
そんな駅のひとつである波久礼駅。
蒸気機関車に会いたくて、お盆の帰省に合わせて訪れた。
忙しい最中、宮城から蒸気動画を制作している友人も訪ねてくれ、その彼と冬の湿原を走る蒸気機関車以来久しぶりの煙を楽しんだ。
ローカル線を走るキハの姿も捨てがたいが、やはり僕にとっては蒸気機関車が一番だ。

ドラフトを奏で地響きを立てて通過する蒸気機関車と、信号を指差称呼、歓呼応答する機関車乗務員。
そして味わい深い木造駅…。
そこには現代人が忘れかけてしまった懐かしいあの頃の時間が流れていた。



P7172534-11fc.jpg

秩父鉄道 波久礼駅

OLYMPUS OM-D E-M1
M.ZUIKO DIGITAL ED12-40mm F2.8 PRO




  1. 2016/07/23(土) 01:57:44|
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下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

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