FC2ブログ

笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

恩師の水彩画

P4300239-1fc.jpg

大井川鐡道 駿河徳山~田野口


小学5~6年の担任の先生は面白くて生徒想いの、時々女言葉を使う少しキモい先生だった。
四国高松出身で、たまにバイオリンを弾いてくれ、
その風貌からどことなく作曲家であり指揮者の故山本直純氏に似ていた。

(山本直純氏は「男はつらいよ」の主題歌や、国鉄最後の日の蒸気機関車の汽笛による蛍の光演奏の指揮をされ、
同年代の方なら「オーケストラがやって来た」という番組をご存知の方もいらっしゃると思う)

悪さか過ぎれば時にビンタを食らい、一度教壇から教室の端までブッ飛ばされたことがある。
自分がいけないと知ってての悪さのため恨むもクソもなく、怒るというより叱るといった感があり、
現在のような保護者からの苦情は時代背景もあるが聞いたことはない。
ある日、勉強嫌いの上に分数が大の苦手だったことを見かねて、先生は息子を借りると親に告げ
自身の住むボロアパートに呼んで24時近くまで大特訓をさせられた。
おかげで翌日から嘘のように分数が解けるようになったのだが、泣き、笑い、遊び、叱り、
生徒一人一人に対して熱くていい先生だった。

そんな先生の描く水彩画は、未完成と思える鉛筆線を上手く残す技法の風景画で
淡く繊細で、水彩画というより鉛筆画に色の盛り付けをしたようなといえばいいだろうか
今まで見てきたものと全く違う画だった。
それからというもの蒸気機関車と零戦、大和型戦艦や妙高型重巡、空母飛龍の鉛筆画!
と決まっていた僕の絵は、校庭の花壇をモチーフにした水彩画を描くようになっていった。


天から如雨露で撒かれたような小粒の雨が降り続く。
時に災害をもたらす雨も、この日は撫でるみたいに森が奏でるサーッという雨音がきれいで優しかった。
白く霞んだ景色は区々に、微かな濃淡を付けながら不規則に流される。
豊かな緑と水の国が見せる表情はなんて詩的なんだろう…
日本の風景っていいよなぁと沁み沁み思う瞬間だ。
飽きることなく眺めてはため息をつく。
派手さはないが、淡く繊細な景色に汽車の汽笛が恩師の画を乗せてやって来た…。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2019/05/29(水) 22:56:39|
  2. 大井川鐵道
  3. | コメント:0
<<初夏の音色に | ホーム | 茶摘みの音に微睡んで>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
当ブログは写真ブログではなく、あくまでも日記の立ち位置のつもりでいます。写真は落書き代わりのいい加減なものですので、予めご了承下さい(´▽`;)ゞ

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

ご挨拶 (6)
宗谷本線 (15)
石北本線 (119)
釧網本線 (41)
根室本線 (2)
釜石線 (1)
陸羽東線 (1)
只見線 (9)
真岡鐡道 (18)
上越線 (1)
秩父鉄道 (19)
高島線 (1)
大井川鐵道 (14)
山陰本線 (3)
山口線 (7)
肥薩線 (1)
保存鉄道 (11)
廃線・保存機 (14)
駅・設備 (10)
雑記 (4)
未分類 (1)
非鉄・番外編 (3)
飯山線 (13)
長野電鉄 (2)
鶴見線 (2)
小海線 (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる