笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

夢見る少年のように

「なんといってもデコイチだったよ」

キャブ内でそう答えてくれたのは元国鉄の機関士さんだった。
室蘭本線追分駅からほど近くにある安平町鉄道資料館。
ここに保存されているD51320号機はとにかく素晴らしい保存状態だった。
機関士や整備士などの元国鉄OBによって定期的に整備され、普段は建屋内にある当機は月二回ほど小型DLによって屋外に出される。
よくありがちな錆止めの塗装もなく、ロッドは油で磨かれ、各部への注油もされており
もはや静態保存機というより、現役機の火を入れていない状態といっても差し支えないほどだ。
いつでも火を入れて動かせられるよ、と言うのも普段の整備の自信の表れなのだろう。



P9263680-1fc.jpg

安平町鉄道資料館     2014年9月撮影



先に答えてくれた元機関士さんは、キューロク、C58、C57、D51などを運転してきたという。

「入れ替えだったらキューロクが良かったね。踏ん張りが利くんだよ。
シゴナナはスピードを出した時の乗り心地は良かったな。
だけどデコイチも結構出たんだよ。客車を牽く時はシゴナナとそう大して変わらないくらいの速度で走ったし
それになんといっても貨物を牽いた時のデコイチは頼もしかった。」

「貨物を引っ張ってる時にね、軸焼けしたカマを騙し騙し運転していたんだ。
トンネルに入ったら火花が飛んでるのが見えるんだよ。なんとか運転したけど、あれはきれいだったなぁ」

当時を懐かしむように話してくれた機関士さん。その顔は職務を全うした誇りに満ちていた。
また運転したいですか?の問いに、そりゃあしたいさと加減弁を握りながら笑っていた。
将来的には圧縮空気で動かす計画があるのだという。
ならばその時再びハンドルを握るんですね、と言うと

「もちろんさ」

と、夢見る少年のような笑顔で答えてくれた。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2016/08/24(水) 00:07:14|
  2. 廃線・保存機
  3. | コメント:0
<<オレたちの機関車 | ホーム | 進む季節>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

u403tsugaru

Author:u403tsugaru
下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (3)
ご挨拶 (3)
只見線 (7)
石北本線 (57)
山口線 (7)
真岡鐡道 (4)
秩父鉄道 (9)
釧網本線 (17)
大井川鐵道 (3)
廃線・保存機 (5)
宗谷本線 (7)
保存鉄道 (6)
釜石線 (1)
陸羽東線 (1)
山陰本線 (3)
雑記 (1)
非鉄・番外編 (2)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる