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笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

令和の軍事路線

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旧石油貨物支線 エリアⅡ


今も僅かに残る専用線のひとつ、鶴見線の旧石油貨物支線。
廃線のような頼りない道床に草ぼうぼうの出で立ちは安善駅の側線扱いとのことらしい。
かつては各企業の工場へと枝分かれしていた跡が残る線路は米軍貯油施設のエリアⅡ、終端のエリアⅠへと続き、
横田基地への航空機燃料をここから積み出して運ぶ、大げさに言ってみれば我が国唯一の軍事専用線でもある。
もっぱらエリアⅠが使用され、エリアⅡは未使用に見えるものの恐らく有事の際、
軍用機が頻繁に稼働することになればこちらのゲートも開くことになるのだろうと、敷地内の手入れされた線路に思わせた。

子供だった1970年代前半は、都会といえどまだまだ駅構内には貨物側線があり、工場へ向かう専用線が見られた。
川崎駅でも現在のラゾーナにあった東芝に向かう引き込み線が南武線の6番線からあったし
横浜線の菊名は東横線と線路は繋がり、八王子のC58が来ていたはずだ。
新宿駅でも貨物ヤードが残り、DD13が貨車の入替えを山手線の車窓に見ることが出来た。

楽しかったのは、新鶴見操車場から南武線の向河原にかけての短絡線が廃線となって簡素なトロッコが置かれており
近所の悪ガキたちと遠征して線路上を皆でせーので押し、動かしては乗ってを繰り返し
実車を1/1の鉄道模型化して、今では考えもつかない遊びをしていたことだ。
(余談だが、ワム80000やホキ2200くらいなら、エイ車はさすがに無理でも空車一輛なら大人一人で動かせられるもので
車体を押すのではなく、車輌の下に潜り込み車輪を手で押すと意外にもゴロリと動き出す。
埠頭でのそんないたずらも立ち入り禁止となった噂あり)

短絡線が廃線となる前の向河原はNECから出る貨物の入替えを新鶴見のD51が行い、
矢向や津田山などの入替えは浜川崎区のC12が行っていたと後年国鉄関係者から伺ったが
同じ南武線でも貨物量が多かったのか、向河原だけは大規模な新鶴見と直結して取り扱っていたところが面白い。
側線や専用線は地方のローカル線でも残っていたし、その片隅に置かれた機関車や数輛の貨車にたまらない魅力を感じ
どちらかというと大型旅客機よりも貨物機とか中小型機を好む性格はこういった背景が影響している。


やがて時代遅れの貨物ヤードは消え、港や運河の夜景がきれいな工場群を横目に張り巡らされた専用線も寂しくなり
小川せせらぐ長閑なローカル線とは別の魅力を感じさせてくれただけに現状を残念に思う。
米軍施設のナトリウム灯に照らされ、転轍機標識の青い光が目に染みる・・・それは線路が生きてる証だった。
光の奥には良き時代を偲ぶ道標が見え隠れして、令和の時代になっても尚、ここには昭和の残り香が漂っている。



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テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2020/08/01(土) 13:46:12|
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