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笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

北酒場

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北海道北見市


北見市は北海道オホーツク総合振興局にある道内一の面積を持つ10万都市である。
といっても平成の大合併で増えただけで、駅を降りてみると「こんなちっぽけなの?」と思うこと請け合いだ。
初めて北海道を訪れた20代前半の頃の北見は「結構大きな街だな」と思ったものだが
それから約10年後に移り住み、年々活気が失われていくのが目に見えるようだった。
東急デパートがなくなり、北海道ちほく高原鉄道もなくなり、街中心部は寂れていく一方だ。
日赤病院が建て替えられ、機関区や構内跡地周辺は図書館が建ち、駅前にはバスターミナルが移動新設され
ビジネスホテルが並び何やかんややっているが、夜の歓楽街は街灯りも人通りも少なく閑古鳥が鳴く。
最近では以前からずっとあった大きな居酒屋がコロナ騒ぎで閉店したと聞いたから、まだ萎んでいきそうな気配だ。

以前飲みに出た時に、友人とこれくらいで丁度いいよねと歩きながら話したことがある。
そう、このくらいで丁度いい。札幌では明る過ぎる。首都圏はドぎつ過ぎてちょっと勘弁願いたい。
北見の寂れた街くらいの灯りでいい。歩く人もポツポツくらいでいい。それもたまに行くくらいでいい・・・。

街へ出ると大概立ち寄った古い居酒屋があった。
カウンター席が数席、奥に小上がりが6席だけの家族で営む小さな飲み屋さんだった。
畳も座布団もかなり疲れていてお世辞にもきれいとはいえなかった店の料理は、安くて旨くて、口数少ない大将も
皆から母さんと呼ばれていたおカミさんもいい人だった。
「久々に飲みにでも行こうや」と誘われて立ち寄ったのが最後、来週閉店すると聞かされ一同マジかー!と残念がった。
それからというもの、そういった古くさい落ち着く飲み屋さんは見つからずチェーン店で済ますことが多くなった昨今
気になる店が一軒だけあったのが上記の絵面である。
鉄道とは全く関係がないと言えばないのだけれど、そうとも言えない訳がこちらである。



PB190006-1fc.jpg


食事処 D51 !! キタ━(゚∀゚)━!

たぶん居酒屋というより大衆食堂の部類なのかもしれないが、このネーミングが非常に気になって仕方ないのだ。
「模型のデゴイチがトンカツとか運んで来るんべか?」
「いやいや、店の真ん中に動輪とかがあるんだべさ」
などと笑いあったが、未だに入ったことがない。

古い佇まいは昭和そのもので、ここだけポツンと取り残されたかのようにあり
日中に見るととても営業しているとは思えないほどの廃れ感がある。
蒸気機関車の時代、北見は鉄道要衝の街だったから、まさかその頃からのものなのか。

雪がチラつく夜の街。おー寒っっ!と襟を立てたコートの雪をパッパと払いガラッと戸を開ける。
テレビを聞き流し新聞を見ながら煙草を吹かしていたオヤジに、ルイベと熱燗二・三本つけてやと頼んで小汚い座敷に上がる。
黄ばんだ壁には誰が寄贈したのか常紋峠で苦闘するD51とキューロクの色褪せた写真・・・
風にガタガタと鳴る窓ガラス、流れる八代亜紀の演歌なんかが似合いそうな、そんな北酒場でしみじみ呑みたいものだ。




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2020/09/10(木) 01:56:11|
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