笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

揺らぐ煙に

先日、久しぶりに「男はつらいよ 柴又慕情」を観ていた。
例によって夢から覚めた寅さんがいた所は尾小屋鉄道金平駅。
古びた木造駅舎、短い島式ホームに止まる一輌の気動車、そのデッキには牛乳が積み込まれ
すまねぇすまねぇと急ぎ早に乗り込む寅さん。
ディーゼルの排気を残し、蛙の鳴く寂れた里の風景にタイフォンを残して消えていく列車。
その切ないほどの旅情感は何度見てもなんとも言えない気持ちにさせられる。

あの頃の鉄道風景というのはなぜあれほど美しかったのだろう。
絶景とはいえなくても、単なる田舎の風景に一本の鉄路が存在しているだけで
人々の暮らしやその土地の匂いまで運んでくれ、同時に旅先から故郷を思う気持ちにさせられた。
それは夕べに家族が待つ家路に向かう、あのホッとするような感覚にも似ていたように思う。
軽便鉄道が各地に存在していた現役時代とは、そんな人々の暮らしにもっと密接していたものだったのだろう。
車庫から視線を送るコッペル越しに揺らぐ雨宮の煙に、当時の人々の暮らしぶりが見えてくるようだった。



P9252702-jfc.jpg

丸瀬布いこいの森




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2016/10/05(水) 01:23:40|
  2. 保存鉄道
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下手な鉄道写真を撮っておりますが、沿線風景や旅先での一コマなども載せていこうと思います。
見て下さった方の一人でも郷愁感や旅への思いをお持ち下されば嬉しく思います。

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