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笛の音響けば

汽車の音色は旅へと誘う道標

春を乗せて

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石北本線 美幌~緋牛内


フキノトウが雪の下から顔を出し、そろそろかなと思いながら線路端を覗く。
あったあったと黄色い野花に顔がほころぶ。
まだまだ茶褐色の多い景色に、小さいながらもようやく芽吹いた春の色。
どこにいたのか虫たちが早速花を見つけて飛んできた。
待ち望んでいたのは人だけでなく、厳しい冬を耐えた全ての生き物だ。

時を刻む列車がやって来る。
次にツツジ、桜とひとつずつ春を乗せて…




テーマ:写真日記 - ジャンル:日記

  1. 2019/04/14(日) 20:02:32|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

一人占め

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石北本線 女満別~呼人


ザラメ状になった雪の斜面をよじ登る。
真冬じゃないしと長靴ひとつで踏み出せば、思った以上の残雪にものの数歩で足はビショ濡れになった。
新芽は膨らみ気忙しい鳥たちが囀りを交わすが
オホーツクの春はまだ浅く、ナメてかかったしっぺ返しを足元に食らう。

かつて夜行急行大雪が堂々10輌前後の編成そのままに、北見で普通列車と名を変え走破した。
現役最晩年の蒸気機関車が石北路の東端を締めくくる。
大雪くずれと呼ばれた列車は陸羽東線の迂回急行津軽と並び、
地味と言われたC58最後の大輪の華であったことだろう。
多くの人が降りた丘の狭間に零れた夕日が差し込んで、まだ色の乏しい景色が燃えて来た。
時間と共に深味を増してく夕焼け色…
濡れた足の冷たさを思い出すこともなく、一人占めする朱い光から現れたローカル列車を迎えた。




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  1. 2019/04/09(火) 15:01:42|
  2. 石北本線
  3. | コメント:2

早春 端野俯瞰

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曇りや雪マークの予報が出ていた午後。
けれども午前と同様に日差しが注ぎ、一向に怪しくなる気配がない。
昨日よりは幾分澄んでいるように思えたが、キリっとした真冬のそれではなく多少モヤッた春独特の空だった。

端野俯瞰。
別にそんな名称がついている訳ではなく自分勝手に呼んでいるお気に入りの場所のひとつ。
期待せず外に出ると意外にもきれいに見えていた、容姿、山名共に大好きな斜里岳が見えると
同じ画を何度も撮っていながら行ってみるかという気にさせる。
他何ヵ所かの俯瞰場所同様に斜里岳をはじめとして、阿寒、藻琴、遠くは知床の山並みまで眺めることが出来る。



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石北本線 端野~緋牛内


右に見えるは海別岳。
釧網本線でお馴染みの止別ストレートを斜里に向かってほぼ正面に見える山がこれに当たる。
知床半島の付け根に位置し、一見すると独立峰のように標高を下げた稜線は遠音別(おんねべつ)岳を経て知床連山へと続く。
斜里岳との間に、根室国と北見国を結ぶはずの、夢半ばで廃線となった根北の二文字がR244の峠として残る。

山岳路線の石北本線というと常紋越えがあまりにも有名で知床連峰が望めるイメージはなかったのだが
こんな景色を見せてくれるとは当初思いもしなかった。
この時季、緑といえば融けた雪の下から芽吹き出したフキノトウと秋蒔き麦くらいなもので
雪国ではない地域からすればまだまだ冬景色かもしれないが、
畑に融雪剤が撒かれ、ビニールハウスで農作業が始まり、土が見え出した景色は紛れもなく春の景色だ。
仄かに朱くなりはじめた丘の裾野を、ぐるりと回り込んで走る列車が緑に囲まれるのはあと一月ほどである。




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  1. 2019/04/04(木) 06:13:31|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

凍てつく夜

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石北本線 緋牛内


吐き出す息を凍らせて最終列車が発っていく。
厳しい冷え込みが見せる北国の鉄道風景はなんとも魅力的に僕の目に映る。

帰宅途中の国道に表示されてた気温は‐16℃、
勘弁ならない寒さだが、その寒さあってのシーンがあるというのも困りものだ。
なにもこんな寒い中を出ていくこともないと思うのだけれど
もしかしたら、行かなかったことによって見逃してしまうものもあるかもしれない…
なんて貧乏ったらしい思いが元となって玄関を出る。
厳冬期に向かって、これから暖かい部屋の誘惑とケチ臭い根性が闘う季節の始まりである。




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  1. 2018/12/13(木) 02:09:56|
  2. 石北本線
  3. | コメント:0

積雪到来

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石北本線 緋牛内~端野


とうとう積雪になってしまった。
それでもいつもより大分遅れたので、よくここまで持ったというべきか。
夜勤でトラブルに見舞われ、ようやく復旧したと思えばいつの間にか積もった雪に今度は一晩中除雪に追われ
言霊にならなければいいと懸念した通りになってしまった結果を見ると滅多なことは言わない方がいい。

こりゃ家に帰っても除雪だと半ばやけっぱちの帰り道、自宅の近所だけで3台の車が道路から落ちていた。
道の流れはノロノロだったが、一度滑ってコントロールを失えばスピードを出してようがなかろうがどうすることも出来ない。
そんなのを見るたび冬道は危ないものと思う。
人や車の多い都会で毎年排雪問題が出る札幌などの車の運転は人を殺しに行くようなもんだとすら思う。住まれている方には申し訳ないが…。


故に地方であっても車の運転をしたがらない方もいて、列車利用している知人も数名いるが、いかんせん本数が少なく不便だという。
廃線だらけの北海道でまだ利用できるだけいい方だよと笑うが、交通弱者にとって廃線は、あんたの生活は知らんと切り捨てられるような感覚を持たれる方もいた。

滑らないようビビりながら運転する必要もなく、おっせえんだよ、なにチンタラ走ってやがんだくそ車!と煽られることもなく、鉄道は利用者には平等だ。

目先のことだけ優先しないでもらいたいもんだね…

廃線を目前に控えた深名線の政和駅にバイクを止めて一服中、一人のご老体と会話した中で聞かれた言葉を、降りしきる雪を突いて定刻通りにやって来た列車を見ながら思い出していた。




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  1. 2018/12/09(日) 11:40:36|
  2. 石北本線
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